宇宙戦艦ヤマトIII 太陽系の破滅

TVスペシャル
宇宙戦艦ヤマトIII 太陽系の破滅
© 東北新社

TVスペシャル

1983年12月28日

93分

解説

「宇宙戦艦ヤマトIII 総集編 太陽系の破滅」は、1983年12月28日に読売テレビ系「水曜ロードショー」枠でテレビスペシャルとして放送された作品である。この総集編は、テレビシリーズ「宇宙戦艦ヤマトIII」全25話を約90分に再編集したものである。放送時のタイトルは単に「宇宙戦艦ヤマトIII 太陽系の破滅」であったが、TV「宇宙戦艦ヤマトIII」の総集編と明確にするため、「宇宙戦艦ヤマトIII 総集編」改名された。

この作品は、1983年3月19日に35ミリ版「宇宙戦艦ヤマト完結編」が、11月5日には東京で70ミリ版「宇宙戦艦ヤマト 完結編」が公開された後に放送され、冬休み特別プレゼントとして企画された。現在のところ、「ヤマト」オリジナル・シリーズでは最後の作品である。

制作過程では、TV「宇宙戦艦ヤマトIII」監督の山本暎一氏が1時間33分30秒にフィルム編集を担当した。作業は、25話分のAR台本のコピーから候補場面を抜粋して、B4判176枚もの第1稿台本が作られた。絵コンテやフィルムで候補カットの秒数確認がされ、第1稿台本コピーを切り貼りしてB4判91枚の完成台本が完成した。この完成台本に従って各話ネガから抜き焼きされたフィルムを編集し、台詞テープの音声をダビング、一部ナレーションなどを追加録音した。さらに山本監督が台本に指示した約30ヶ所の部分に改めてBGMをミキシングした。

宇宙戦艦ヤマトII 総集編」の総集編は設定をかなり変更したが、この「宇宙戦艦ヤマトIII 総集編」の総集編は基本的には本編のフィルムをそのまま繋いだという構成である。BGMも差し替えられているシーンは少なく、テレビ版の映像をそのまま継ぎ接ぎしたような内容になっている。

初放送の「水曜ロードショー」では、冒頭と終わりに映画解説者として愛川欽也氏が出演し、今井科学の木製キット「1/350ヤマト」完成品を展示しながらヤマトを熱く解説していた。本編は93分30秒のはずだったが、愛川氏の後解説や次週予告を長くするため、テロップ処理されたスタッフ・ロールの地球カットが8秒ほど短くされて放送された。この時の視聴率は10.7%だった。

翌1984年12月26日夕方には、フジテレビ系から「宇宙戦艦ヤマトIII 総集編」が再放送されたが、3分5秒ほどカットされており、前日放送の「宇宙戦艦ヤマトII 総集編」と同じく、視聴率5.5%だった。

「宇宙戦艦ヤマトIII DVD MEMORIAL BOX」の映像特典として収録の「宇宙戦艦ヤマトIII 総集編」は、フィルムと台本を参考に改めてビデオ編集された1985年1月発売の日本コロムビアのビデオソフト版および1994年創美発売LD版「宇宙戦艦ヤマトIII 総集編」マスターをベースにしている。そのためTV初放送版とは、テロップ処理のスタッフ・ロールが異なり、ラスト地球カットが7秒長くなっている。