松本零士「オズマ」

TVアニメ
2012年3月16日~4月20日放送
全6話
解説
『松本零士「オズマ」』は、2012年3月16日から4月20日まで放送された日本のアニメ作品である。全6話構成で、WOWOW開局20周年記念作品として製作された。
本作は、松本零士によると、「さよなら銀河鉄道999 —アンドロメダ終着駅—」の公開を終えた頃から構想を練り、80年代の後半に劇場映画用に「超兵器オズマ」(仮題)のプロットを書いたが、書き終えた時点で企画自体が頓挫し、それ以来、机の引き出しの中で眠っていたという。
本作は砂漠化した未来の地球を舞台に、謎の超巨大移動物体「オズマ」をめぐる重厚な人間ドラマと、ハイクオリティーなSFアクションが展開される。松本零士が21世紀に「生命の在り方」を問う空前の時空ロマンスである。特筆すべきは、20年以上前に立ち上げられた企画にもかかわらず、その内容が古びていないことであり、松本自身も「作品を作るときはいつも、時代感、科学的にも古びないようにというのは念頭にある」と語っている。
また、本作はWOWOWでの放送後、国際的な動画配信サイトViki(現・Rakuten Viki)を通じて、日本を除く200カ国以上で配信された。Vikiは熱心なファン・コミュニティにより、テレビ番組や映画を多数の言語に翻訳している人気動画サイトである。「作品が世界に出ていく可能性は意識しています」という松本零士の漫画家としての揺るがない姿勢が反映された結果と言える。
制作スタッフには、総監督に「装甲騎兵ボトムズ」シリーズの高橋良輔、シリーズ構成・脚本に「ONE PIECE ワンピース」、「銀河鉄道999 エターナルファンタジー」「銀河鉄道999 星空はタイムマシーン 太陽系・恐竜絶滅編」の武上純希、デザイン協力に「Space Pirate Captain Herlock The Endless Odyssey Outside Legend」の結城信輝などの豪華メンバーを迎えた。音楽は山下康介が担当し、アニメーション制作はLandQ StudiosとGONZOが手がけた。
あらすじ
太陽の異常活動により地球の環境は破壊され、広大な砂漠が広がる世界となった。大気層の破壊によって人類のDNAに欠陥が生じ、出生率が劇的に低下。人類絶滅の危機から政府は「人類再生計画」を実行し、優秀な機能を持つクローン「IC(アイディアル・チルドレン)」を作り上げ、彼らが統治する巨大組織を形成した。
砂賊の一員サム・コインは、砂賊船バルダノスで交易を営みながら、兄の命を奪った謎の移動物体オズマを追い求めていた。ある日、サムはIC軍隊「シーシアス」に追われる少女マヤと遭遇し救出するが、オアーゼ港に停泊するバルダノスまで戻ったところでシーシアスの砂上駆逐艦に包囲されてしまう。
マヤの正体とシーシアスの目的、そして謎の超巨大移動物体オズマの秘密。様々な謎が交錯する壮大な物語が砂の海を舞台に展開していく。
キャスト
サム・コイン
(柿原徹也)マヤ
(田中理恵)ミメイ
(藤村歩)バイナス
(田中敦子)ギド・ガイラー
(速水奨)